《035. 廃坑の秘密》
ここには神どころか精霊さえもいない
400年前
この鉱山は開いた
大量の鉱物が取れたこの山は神が住んでいるという噂があった
ある年
この町が鉱業により裕福になったころ
大きな嵐によって多大な被害を受け
いつまでも去ることのない嵐はその町を飲み込もうとしているかのようだった
あまりの豪雨により山が崩れ鉱洞が塞がれ
その途端に嵐は今までの猛威が嘘のように消えた
その中には一人の少女がいたという
行方をくらました少女
なぜそのような所にいたのか
誰も知ることはなかったが
少女の犠牲により嵐が去ったのではないかという噂は
次第に忘れ去られる
あの山には神様が住んでいるんだ
神様が連れて行かれた
山を汚した罪をあの少女が負ったのだ
100年後
再びその山が開かれ
悲劇は繰り返される
伝説のような昔話が持ち上がり
すべてを飲み込む嵐を鎮めんと
一人の少女を坑洞へ送る
その子は300年前犠牲になった少女の血統であり
偶然にも歳が同じであることから選ばれた
山は再び崩れ
少女は山へと飲み込まれていく
その後
嵐がやむことはなかった
廃坑に住む少女
誰をも信じ
待ち続ける
メルはとてもきれいね
私のお母さんもすごくきれいなの
メルによく似ているわ
ほら
やさしい笑顔
お母さんたちも後で来るから
この中で待っていなさい
その言葉を信じ
300年も待ち続けた少女
そこに囚われているのは彼女自身の気持ち
何を言っても少女は聞かないというのをメルはわかってる
だからこそ300年も待っていられてのだから。
その一途な思いが彼女自身を一人にしているのだと
大人たちが彼女に伝えたことが嘘だと
そう伝えてしまえばきっと傷ついてしまうから
彼女の300年は一体何だったのかわからなくなってしまうから
メルはカイを少女といるように頼んで廃坑を去った後神界へ行き
あの神様(笑)に事情を話して少女の母親を廃坑に呼び寄せるようにお願いします。
その後少女の元に母親が来て一緒に消えていきます。
カイが廃坑から出てきたときに丁度メルが戻ってきます。
駆け寄ってきたメルに優しい笑顔を向けるカイ
それを見て安堵の涙を流すメルをカイは抱きしめるんですよ
ぎゅってさ!
ちなみに
少女の事情をメルに教えたのはカイです。
町は滅んで誰もいない
神様も精霊もいない山奥の廃坑がまだ人であふれていた時に
カイの知り合いがこの町に来ていたらしいです。
メルが傷つくのが嫌で教えるのは躊躇したけど
結局メルの根気に負けて(笑)
あと
神様のところに行くといったら
カイ君ものっすごい嫌な顔しました(笑)