Marvelous Honey
「何だコレ。ハチミツ?」
「そう。配達先の養蜂家の人にもらったんだ。キレイだろ」
リビングのテーブルに置かれた琥珀色のビン。
光に透かすと、含まれる結晶に反射してキラキラ輝く様が、クラウドのハニーブロンドを思わせる。
「お前、ハチミツ好きだったよな」
「ん、レノ程じゃないけどね」
「舐めてみていいかな、と」
その輝きを無性に味わってみたくて、聞きながら、俺はクラウドの答を待たずにビンの封を開けた。
「じゃあ、今、ハニーディッパーを…」
踵を返し、横をすり抜けキッチンに向かおうとするクラウド。
素早くその細腰を攫うと、しっとり濡れた花弁のような唇に、ハチミツを含んだ自分のそれを押し付ける。
「レ…ノッ!」
クチュッと濡れた音を立てて、交わる唇と蜜と唾液。
舌を使って濃厚な液体をクラウドの口内に流し入れ、混ぜ合わせるように絡める。
元々、クラウドの体液は不思議と甘い。
そこにハチミツ自体の甘さが混ざり合って、俺の舌を蕩かせる。
「ン…ッ、ふ……」
その甘美さに、俺は夢中になってクラウドの唇を貪り続けた。
「クラウド…」
「レノ…苦し…ッ」
微かに出来た隙間から漏れる、吐息交じりのクラウドの声さえ媚薬のよう。
全身から溢れる、妖艶な花のような香りと味で至福を感じさせるクラウドはまるで、極上の花蜜だ。
「ハチミツ!食べるんじゃなかったのか!」
「ん?ああ、全部喰っちまいたいぞ、と」
キツく睨んでくる、何よりも美しい花青素を湛えた瞳、花瞼に溜まった涙を舌で拭いながら。
俺はどんな高価なハチミツより甘くて綺麗な蜜を手に入れた幸せを、改めてかみしめた。
novel by kahimi
illust by hoshi
蜜蜂は花の髄まで蜜を吸い尽くしてしまっても良いかと。
いつも色気の漂う素晴らしきレノクラをありがとうございます。
サイト復活おめでとうございます!
な
kahimiさんから頂きました。
あれ!お祝い先越されちゃったよ!
というわけで、
kahimiさんとレノクラへ愛を込めて
はちみつ漬けの二人に乾杯